朝もやのノートルダム
- Artist: ミッシェル・バテュ
- Title: 朝もやのノートルダム
- Medium: ジクレ
- reation year: 2022年-2023年
ジクレについて
ジクレとは、フランス語で「吹き付けて色を付ける」という意味で、原画を解析した後、作品を最大で数十万色に分色し、その上でキャンバスや版画用紙などに超ミクロなサイズ(15ミクロン)のノズルから1秒間に400万個以上のインク粒子を吹き付け、最終的には作品一つで十億個以上のインク粒子をキャンバス等に着色させるという技法で作成される美術品です。
※ジクレで重要なのは、画像を処理したり、色味を原画に近づけたり、作家の意図する表現を実現したりすることです。刷り師次第で大きく作品の出来が変わるほど繊細な制作技法です。
ミッシェル・バテュ
1946年10月27日、パリに生まれる。幼い頃より、絵を描くことが好きで、建築家であった父が時々、デッサン用の大きな紙や絵筆を彼女に与えた事も、彼女を絵画の世界へと導く大きな要因となる。10代の頃、誰もが寝静まった夜中、一人道具を広げて描くことに集中する事が幾度もあったという。
高校の頃から絵とデッサンに没頭するようになり、1962年から本格的に学び始め、1964年にパリ国立美術学校に入学。在学中にはギリシャ、アメリカ、カナダを旅し、世界的なレベルの展示会にも出展するようになる。1967年にオーストリアで初めての個展を開く。造形美術国家免状を取得した後、1971年にはパリ市から贈られたカーサ・ベラスケス賞により、スペイン、マドリードで奨学生として一年間滞在、異国で美術の腕を磨く。
その後も着実に躍進を続け、1986年には1881年からの歴史を誇るフランス芸術家協会のサロンで最も偉大な栄誉賞を受賞。協会の会員および審査員も務める。2001年にはフランス文化功労ヴェルメイユ勲章が贈られた。これはフランスの名声に貢献し得る活動をした人を奨励、褒章するもので、卓越した人格者に授与されるものである。その他にも様々な賞を受賞し続け、2003年には名誉ある、フランス国防省海軍公認画家(Peintre Officiel de la Marine)に選出された。女性としては1830年創立以来の2人目の選出となった。